後悔

後悔から学ぶ、より良く生きるための方法

「あのとき、こうすれば…」という後悔に苦しんでいませんか?この記事では、辛い後悔の念を「未来への大切な学び」に変える心の持ち方を、仏教の知恵を交えてお伝えします。あなたの心がスッと軽くなるヒントです。

公開日: 2025/9/12

「なんで、あのときもっと優しくできなかったんだろう…」

「もし、あの選択をしていれば、今ごろは…」

そんなふうに、過去の出来事を思い出して、胸がぎゅーっと締め付けられるような気持ちになることはありませんか?

後悔の念というのは、本当に心を苦しめるものですよね。

ぼく自身も、もちろんたくさんの後悔を抱えて生きています。

今日は、「後悔」という感情と、どうすれば上手に付き合っていけるのかについて、仏教の視点も交えながら、一緒に考えていきたいと思います。

「後悔しない人生なんて、きっと無理だよ…」

そう感じている方も、ご安心ください。

この記事を読み終えるころには、後悔をただの苦しみで終わらせるのではなく、未来をより良く生きるための「大切な学び」に変えるヒントが、きっと見つかるはずです。

それでは、はじめていきましょう🎵

*この記事は、下記のポッドキャストの文字起こしを元に作成しています。

目次

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「後悔したことがない人」なんていない

「ぼくは、この人生で一度も後悔したことがないんです」

もし、そんなふうに言い切れる方がいたら、それは本当にすごいことだと思います。

自分の思ったとおりに、すべてが計画どおりに人生を歩んでこられた、ということですからね。

でも、おそらくほとんどの方は、そうではないのではないでしょうか。

多かれ少なかれ、何かしらの後悔を心に抱えながら、日々を生きている。

それが、私たち人間なのかもしれませんね。

ぼくにも、本当に色々な後悔があります。

たとえば、何年か前に「ビットコイン」というものが世の中に出てきたときのことです。

当時、たしか1枚7万円くらいだったような。。。

その存在は知っていたんですよ。

でも、なんだかよくわからなくて、「本当に大丈夫なのかな?」という怖さがあって、結局買えなかったんですね。

それが今や、1,600万円を超えるほどの価値になっている。

「あぁ、あのとき少しでも買っておけば、今ごろは…」

なんて、俗っぽい後悔をすることもあります(笑)

でも、後悔というのは、こうしたお金の話だけではありませんよね。

もっと心の深くに、ずっしりと残り続ける後悔というものがあります。

「もっと、優しくしてあげれば…」あるご婦人の後悔

先日、お参りにお伺いしているお家での出来事です。

そこには、70歳を過ぎた奥さまが、おひとりで暮らしていらっしゃいます。

昨年、ご主人を突然亡くされたんですよ。

それ以来、毎月お参りにお伺いしているのですが、奥さまは毎回、涙を流されます。

「毎日泣いているんです…」と。

おうちに一人でいると、毎日ご主人のことを思い出しては、涙が止まらなくなるとおっしゃいます。

そして、ご主人を思い出すたびに、後悔の念が次から次へと溢れてくるそうなんです。

「なんで私は、あのときもっと優しくできなかったんだろう」

「どうして、あんなことを言ってしまったんだろう」

そんな思いが心を駆け巡り、悲しくて仕方がない、と。

そのお気持ちは、痛いほどよくわかります。

大切な人を失ったとき、ぼくたちは「してあげられなかったこと」ばかりを思い出してしまうものなのかもしれませんね。

ぼくはいつも、「後悔のない人なんて、いないんですよ」とお伝えして、その場を後にするのですが、この出来事は、後悔という感情がどれほど私たちの心を苦しめるものなのかを、改めて考えさせられるきっかけになりました。

ぼく自身の、忘れられない後悔

実は、ぼく自身にも、その後悔の念に苛まれた経験があります。

一昨年、93歳で祖母が亡くなりました。

ぼくは勤めに出るまでずっと実家で暮らしていたので、両親よりもむしろ、祖母と一緒に過ごした時間のほうが長かったかもしれません。

ぼくが20歳のとき、お坊さんになる資格を取ってからのことです。

祖母は、来る日も来る日も、何かを縫っていました。

ミシンの「カタカタカタ…」という音が、いつも部屋に響いていたのを覚えています。

何を縫っていたのかというと、ぼくが着るための着物(法衣)なんです。

本当に毎日、ぼくがいつかお坊さんとして立派に勤められるようにと、来る日も来る日も、一針一針、心を込めて縫ってくれていました。

今、ぼくが持っている着物は、おそらく一生分あるんじゃないか、というくらい、たくさんのものを遺してくれました。

孫の未来を思い描きながら、縫い続けてくれたんですね。

でも、ぼくは、その姿を見ていながら、祖母に一言も「ありがとう」って、言えなかったんです。

それが当たり前だと思ってしまっていたんですね。

高校生や大学生のころは、祖母に心配をかけたり、悲しませるようなことをしたりもしました。

そのときも、素直に「ごめんなさい」の一言が言えませんでした。

そんな過去を思い出すたびに、後悔というものが、今でも胸に突き刺さるんです。

だから、祖母の葬儀のとき。

本当は、「おばあちゃん、ありがとう」って伝えて送り出したかった。

でも、それは叶わず、「おばあちゃん、ごめんね。本当に申し訳なかった」という気持ちで、手を合わせることしかできませんでした。

この経験は、ぼくにとって、本当に大きな後悔として心に刻まれています。

後悔から学ぶ、「ありがとう」と「ごめんなさい」の大切さ

「じゃあ、後悔しないためには、どうすればいいんだろう?」

きっと、そんなふうに思いますよね。

後悔という感情は、してもいいんだとぼくは思うんです。

むしろ、人間である以上、しないわけにはいかないのかもしれません。

大切なのは、後悔を後悔のままで終わらせないこと

そこから、何を学ぶか。

どうすれば、これからの人生で後悔を少しでも減らしていけるのか。

それを考えることが、何よりも重要なんじゃないかな、と思うんです。

ぼくが祖母との経験から学んだのは、本当にシンプルなことでした。

それは、「ありがとう」と「ごめんなさい」は、思ったそのときに、ちゃんと伝えるべきだということです。

「なんだ、そんな当たり前のことか」と感じるかもしれませんね。

でも、この当たり前が、一番難しいのかもしれません。

わかってはいるけど、できない…それが人間なんですよね

「感謝の気持ちは、ちゃんと言葉にしなきゃダメだ」

「悪いと思ったら、すぐに謝ろう」

頭の中では、みんな、きっとわかっているんですよね。

ぼくも、祖母との後悔を通じて、痛いほどそれを学びました。

でも、いざとなると、なかなかできない自分がいるんです。

特に、家族やパートナーといった、近しい存在であればあるほど、「まあ、言わなくてもわかってくれるだろう」と甘えてしまって、感謝の言葉を伝えそびれてしまったり。

何かモヤモヤしたことがあっても、「今さら謝るのもな…」なんて思っているうちに、ごめんなさいが言えなくなってしまったり。

人間というのは、本当に不器用な生きものですよね。

わかっているのに、やめられない。

思ったとおりには、いかない。

大切なのは、「あ、そうだった。ちゃんと伝えなきゃいけないんだった」と、何度も思い出すこと

そして、その気持ちを新たに、今日からまた「伝えよう」と心を新たにすること。

その繰り返しこそが、ぼくたちを少しずつ成長させてくれるのかもしれませんね。

後悔を「未来への一歩」に変える、毎日の小さな習慣 📝

では、どうすれば後悔を学びへと変え、未来へと進む力にできるのでしょうか?

それは、大げさなことではなく、毎日の生活の中に、静かに自分自身を見つめ直す時間を、ほんの少しだけ作ることなのかもしれません。

たとえば、こんな習慣はいかがでしょうか。

STEP1:1日の終わりに、静かに今日を振り返る

寝る前の数分間でいいんです。

ベッドに入ってから、静かに目を閉じて、「今日はどんな1日だったかな」と、そっと振り返ってみる。

楽しかったこと、頑張ったこと、少しだけ心残りだったこと。

STEP2:「後悔のない自分」を褒めてあげる

もし、その日に「やるべきことを全部やりきったな」「今日は感謝の気持ちを伝えられたな」と思えたなら、そんな自分を心から褒めてあげてください。

「ああ、今日は後悔のない、素晴らしい1日だったな」と。

そんな日を1日、また1日と積み重ねていくことが、きっとあなたの人生を、より豊かで素晴らしいものにしてくれるはずです。

STEP3:もし後悔があれば、そこから「学べること」を考える

もし、「あぁ、あのとき、あんな言い方しなければよかったな…」というような後悔が思い浮かんだら、自分を責める必要はありません。

「そっか、次に同じようなことがあったら、もう少し優しい言葉を選んでみよう」

そんなふうに、未来のための学びとして、そっと心に留めておく。

この「振り返り、気づき、次へ活かす」という小さな繰り返しが、後悔という苦しみを、未来を照らすための知恵へと変えてくれるのです。

もし、ご自宅にお仏壇があるのなら、朝、手を合わせるときに「今日はこんな1日を過ごそう」と目標を立てて、夜、帰ってきてから「今日はこうでした」と報告するのも、とても良い習慣だと思います。

大切なのは、1日のうちのほんの数分でもいいので、静かに自分と向き合う時間を持つことなのかもしれませんね。

まとめ

さいごに、この記事のポイントをまとめておきましょう。

✅ 誰にでも後悔はある。後悔すること自体は、決して悪いことではない。

✅ 大切なのは、後悔をただの苦しみで終わらせず、そこから「学び」を得ること。

✅ 「ありがとう」と「ごめんなさい」は、思ったそのときに伝える勇気を持つ。

✅ 1日の終わりに数分間、自分を振り返る時間を作ることで、後悔の少ない人生を歩むことができる。

大切なのは、過去の後悔から学び、今日というかけがえのない一日を、大切に生きることです。

後悔は、あなたを苦しめるためだけにあるのではありません。

「次は、もっと素敵なあなたになれるよ」

そんな、未来の自分からのメッセージなのかもしれませんね。

ぜひ、あなたの生活の一部に、自分自身と向き合う静かな時間を取り入れてみてくださいね。

さいごまでお読みいただき、本当にありがとうございました。