現代は自己肯定感よりも自己受容が大事。高めるための3つの習慣

現代は自己肯定感よりも自己受容が大事。高めるための3つの習慣

SNSでの比較に疲れたあなたへ。これからの時代は「自己肯定感」より、ダメな自分も丸ごと受け入れる「自己受容」が大切です。心がふっと軽くなる、自分らしく生きるための3つの習慣をわかりやすく解説します。

公開日: 2025/9/4

・なんだかいつも、他人と自分を比べて落ち込んでしまう…。

・SNSを開くたびに、誰かのきらびやかな投稿を見て、心がザワザワしてしまう…。

そんなふうに、知らず知らずのうちに心の疲れを感じていませんか?

そのお悩み、とてもよくわかります。

今の時代、多くの人が同じような息苦しさを感じているのかもしれませんね。

今日は、これからの時代を軽やかに生きていくために、「自己肯定感」よりも、もっと大切になるかもしれない「自己受容」という考え方について、お話してみたいと思います。

「自己肯定感と自己受容って、何が違うの?」

「自分を受け入れるなんて、なんだか難しそう…」

そう感じている方も、ご安心ください。

この記事を読み終えるころには、他人との比較から解放され、心がふっと軽くなるヒントが、きっと見つかるはずです。

それでは、はじめていきましょう🎵

*この記事は以下のポッドキャストの文字起こしを元に作成しています。

目次

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なぜ、いま「自己肯定感」が私たちを苦しめるのか? 🧠

「自己肯定感を高めたい」

「自己肯定感が低いのが悩みです」

本屋さんに行けば自己肯定感を高めるための本がたくさん並んでいますし、あなたも一度はこんなふうに思ったことがあるかもしれません。

たしかに、自分を肯定できる感覚は、生きていくうえでとても大切なものです。

でも、これからの時代は、その「自己肯定感」が、かえって自分を苦しめてしまう可能性があるんですよ。

「え、どうして?」と思いますよね。

その最大の理由は、SNSの存在にあると、ぼくは思っています。

ほんの少し前まで、私たちが誰かと自分を比べるときの範囲は、ごくごく限られたものでした。

同じクラスの友達や、会社の同僚、ご近所さん…。

自分の身の回り、半径数メートルくらいの、とても狭い世界の中で、無意識に自分という存在を捉えていたんですね。

ところが、今はどうでしょうか。

インスタグラムを開けば、世界中のセレブの豪華な暮らしが目に飛び込んできます。

X(旧Twitter)を見れば、自分と同じ世代で大成功を収めた人の話が流れてきます。

YouTubeを開けば、自分よりずっと若い、才能あふれるクリエイターが活躍しています。

SNSによって、私たちの比較対象は、天文学的な数にまで膨れ上がってしまったんです。

国内だけではありません。

世界中の「すごい人」「キラキラしている人」と、私たちは否応なく繋がれてしまいました。

もちろん、彼らが発信する情報は、編集された「良い部分」だけの切り抜きです。

頭ではそうわかっていても、無意識のうちに自分の日常と比べてしまうのが、私たち人間なのかもしれません。

「この人に比べて、なんで自分は…」

そんなふうについつい比べてしまい、落ち込んでしまう。

そんな経験は、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。

自己肯定感とは、「自分には価値がある」「自分は優れている」と感じる感覚のことです。

そして、この感覚の多くは、他者との比較によって成り立っていることが多いんですね。

「あの人よりはできているな」

「平均よりは上だろうか」

そう感じることで、自分の価値を確認し、安心する。

しかし、比較対象が世界中に広がった現代で、「他人より優れている」と感じることで自己肯定感を維持し続けるのは、ほとんど不可能です。

上には上が、それもとんでもなく上が、無限にいますからね。

それは、終わりのない競争です。

そんな場所で戦い続けていては、心がすり減っていくばかりだと思いませんか?

だからこそ、一度、その他者との比較という土俵から、すっと「降りる」必要があるんです。

そこで重要になるのが、今回お話しする「自己受容」という考え方なんですよ。

「自己肯定感」と「自己受容」の決定的な違いとは?

「とはいえ、自己肯定感と自己受容って、具体的にどう違うの?」

とても良い疑問ですね。

この二つは似ているようで、実は、自分へのアプローチが全く違うんです。

もし、自己肯定感が、

「できる自分」や「優れた自分」を評価して好きになる、いわば「条件付きの肯定」だとすれば、

自己受容とは、

「できない自分」や「ダメな自分」も含めて、ありのままの自分を丸ごと受け入れてあげる、いわば「無条件の肯定」なんです。

そこには、「良い・悪い」とか「優れている・劣っている」といったジャッジ(判断)は一切ありません。

ただ、「今の自分は、こういう状態なんだな」と、事実として静かに認めてあげる感覚です。

たとえば、仕事でミスをして落ち込んでいるときを想像してみてください。

自己肯定感を高めようとすると、

「今回はミスしちゃったけど、でも私には良いところもあるし、次は頑張れるはずだ!」

というように、ネガティブな自分を、ポジティブな自分で「上書き」しようとします。

一方で、自己受容のアプローチは、

「あぁ、今わたしはミスをして落ち込んでいるんだな。悔しいよな…。そりゃ、そんなときもあるよね」

というように、まず、落ち込んでいる自分自身の存在を、そのまま認めて受け入れてあげるんです。

なるほど…。

良い悪いを判断せずに、ただ「今の自分はこうなんだな」と受け止めてあげる感覚なんですね。

この「自己受容」が素晴らしいのは、比較の軸を「他人」から「自分自身」へと移すことができる点にあります。

比較の軸を「他人」から「自分」へ移そう

自己受容の考え方では、比べる相手はSNSの向こう側にいる誰かではありません。

比べるべき相手は、「過去の自分」と「未来の自分」だけです。

あなたはどうでしょうか?

昨日の自分と比べて、今日なにか一つでも、新しく学んだことはありましたか?

一週間前の自分と比べて、ほんの少しでも、成長できた部分はあったでしょうか?

それは、本当に些細なことでいいんですよ。

「本を1ページだけ読んだ」

「勉強していることを、ほんの5分だけ進められた」

そんな、ものすごく小さな一歩で構いません。

過去の自分と比べて、ほんのわずかでも前に進んでいれば、それは紛れもない「成長」ですよね。

この小さな成長の積み重ねこそが、誰かと比べることのない、揺るぎない自信の土台になっていくんです。

そして、もう一人が「未来の自分」です。

あなたが「こうなりたいな」と、ぼんやりと思う理想の姿を思い描いてみてください。

その理想の姿と、今の自分との間には、どれくらいのギャップがあるでしょうか?

そして、そのギャップを埋めるために、「今日、何ができるだろう?」と考えてみる。

これが、未来の自分との比較です。

このように、比較の軸が自分の中にあると、他人のSNS投稿に一喜一憂することはなくなっていきます。

自分のペースで、自分の道を、着実に歩んでいけるようになるんですね。

心が楽になる「自己受容」を実践する3つの習慣 🧘‍♀️

「理屈はわかったけど、具体的にどうすればいいの?」

そう思いますよね。

ここからは、あなたが今日からすぐに始められる、「自己受容」を実践するための3つの簡単な習慣をご紹介しますね。

STEP1:ネガティブな感情を「実況中継」する

私たちは、嫉妬、不安、劣等感といったネガティブな感情を抱くと、

「あぁ、こんなことを感じてはダメだ…」

と思って、ついついその気持ちに蓋をしてしまいがちです。

でも、感情そのものに「良い」も「悪い」もありません。

誰かの成功を見て、「羨ましいな」「ずるいな」と感じたら、

「お、今わたしは、嫉妬しているんだな」

と、心の中でそっと実況中継してみてください。

不安で胸がザワザワするな、と感じたら、

「そうか、わたしは今、不安を感じているんだな」

と、ただただ認めてあげるんです。

感情を否定することなく、ただその存在を認めてあげる。

それだけで、不思議と感情の波は穏やかになっていくものなんですよ。

STEP2:“ダメな自分”にニックネームをつけてみる

誰にでも、自分の「ダメだな」と感じる部分、つまり短所がありますよね。

たとえば、飽きっぽかったり、心配性で考えすぎてしまったり…。

そんな、あなたのなかにいるネガティブサイドの自分に、少しユーモアのあるニックネームをつけてみるんです。

これは、けっこう効果があるんですよ。

例えば、飽きっぽい自分が出てきたな、と思ったら、

「おっと、また“アキっぽいさん”が出てきたな」

心配性で考えすぎてしまう自分が出てきたときは、

「やあ、また“ざわざわ君”が登場したね」

という感じです。

名前は、なんでも構いません。

こうすることで、自分のネガティブな特性を少し客観的に、距離を置いて眺めることができるようになります。

自分の一部として、少し愛おしく向き合えるようになるかもしれませんね。

STEP3:ポジティブな気持ちで1日を終える(仏教の知恵)

あなたは、1日の終わりに、どんなことを考えていますか?

その日にあった嫌なことや、失敗を思い出して、「あぁ、あんなこと言わなければよかった…」「あの仕事、うまくできなかったな…」なんて、ネガティブな反省会をしていませんか?

寝る前には、そうではなく、ほんのちょっとした「できたこと」や「成長できたこと」を思い出してみる習慣をつけてみましょう。

先ほどお話しした、「過去の自分」との比較ですね。

そして、これは少し仏教的なお話になりますが、もしあなたのおうちにお仏壇があるのなら、寝る前に1分でもいいので、その前に座って手を合わせてみてください。

「今日はこんな嬉しいことがありました」

「こんなことを学びました」

と、心の中で報告してみるんです。

仏壇がなければ、静かな場所で心を落ち着けて、一日を穏やかに振り返る時間をもつだけでも大丈夫です。

大切なのは、ポジティブな、あたたかい気持ちで一日を締めくくること。

この毎日の習慣が、自己受容の心をゆっくりと育んでくれます。

まとめ

さいごに、この記事のポイントをまとめておきましょう。

✅ SNS時代では、他者比較による「自己肯定感」の維持は心をすり減らす可能性がある。

✅ 「自己受容」は、ダメな自分も丸ごと受け入れる「無条件の肯定」。

✅ 比較の軸を他人から「過去と未来の自分」に移すことで、心が安定する。

✅ 「感情の実況中継」「ニックネーム付け」「ポジティブな一日の終わり方」を実践してみよう。

ひとつだけ、誤解してほしくないことがあります。

それは、自己受容とは、決して自分を甘やかすことでも、向上心を捨てることでもない、ということ。

むしろ、逆なんです。

ありのままの自分という土台をしっかりと受け入れたうえで、「じゃあ、ここからどこを目指そうか?」と考える。

健全な成長への、本当の意味でのスタートラインに立つことなんですね。

すごい自分も、ダメな自分も、ぜんぶ含めて「自分なんだ」と受け入れる。

その安心感が、あなたの心を穏やかに保ち、自分らしい人生を歩んでいくための、ゆるぎない土台となってくれるはずです。

仏教には「自灯明(じとうみょう)」という言葉があります。

他人という灯りではなく、自らを灯りとして進んでいきなさい、という教えです。

自己受容とは、まさに自分の中に、そのぶれない芯となる灯りをともすことにも繋がっていくのかもしれませんね。

ぜひ、あなたの生活の一部に、この「自己受容」という考え方を取り入れてみてくださいね。

さいごまでお読みいただき、本当にありがとうございました。